b) 水平感染
水平感染の原因として以前は、医療従事者の針刺し事故や予防接種での注射器の使いまわし、HBVに汚染された血液の輸血に伴う感染がありました。しかし、ワクチンの接種や医療環境の整備、献血された血液に対する適切な検査の結果、これらを原因としたHBVの感染は現在ではほとんど起きていません。
その他の原因に、性交渉、ピアスの穴あけや入れ墨などで器具を適切に消毒せず繰り返し使用した場合、注射器を共用し麻薬などを注射した場合などがあります。なかでも近年最も多いのが、性交渉による感染です。
成人になってからHBVに初感染した場合、70〜80%の人は肝炎にならず自然に治癒します。
急性肝炎を発症するのは、残りの20〜30%の人ですが、大部分は治癒します。
しかし、1〜2%の人は、劇症肝炎を発症し、時に死亡することもあります。
3. 検査を受けたほうがいい人
以下のような方々は、HBVに感染しているかどうか検査を受けることをお勧めします。
@ 40歳以上の方
A 1972年以前に、手術または輸血を受けた方
B 家族にB型慢性肝疾患(慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌)の患者さんがおられる方
C よく知らない相手と性行為をした方
D 長期に血液透析を受けている方
E 妊婦
F 入れ墨をいれている方
G 医療機関以外で、ピアスの穴を開けた方
H その他(肝機能検査で異常を指摘されているが、医師の診察や肝炎の検査を受けていない方など)
HBVに感染しているかどうか判断するためには、感染してからおよそ2〜3ヵ月が必要とされています。
また、HBV検査を目的とした献血は絶対に行わないようにしてください。
4. 性感染症としてのB型肝炎
一方、現在ではHBV感染がSTDとして流行傾向にあるという問題が浮かび上がってきています。
STDとは、Sexually Transmitted Disease(性感染症)の略で、性行為で感染する病気を指し、梅毒、淋病、エイズ、クラミジア症、カンジダ膣炎、性器ヘルペスなどを含みます。HBVも性交渉を介して感染する危険性があるため、STDの1つとして考えられています。若い年齢層を中心に、B型肝炎報告数が多くなってきている点は、日本においてSTDとしてB型肝炎を考慮する重要性を示していると思われます。 |